奨学金保証の大学パスウェイから、オーストラリア・ニュージーランドで看護師になるまでの流れ

大学・大学院留学奨学金事務局

日本の高校生や保護者、社会人の皆様の中には、「海外で看護師として働きたい」とお考えの方もいるでしょう。

全員が奨学金を受給しながらNavitasINTOが提供する「看護学系パスウェイプログラム」を活用できるように、このブログでは、パスウェイプログラムから看護学士課程への進学、卒業後の国家資格登録申請、そして現地就職に必要なビザ取得までの一連の流れを解説します。

海外で看護師として働く魅力と、そのための計画的な準備の重要性についても最後にご紹介します。

NavitasとINTOの看護学系パスウェイプログラムとは

まず、パスウェイプログラムとは、海外大学の正規課程に直接入学する前に、大学提携のカレッジや教育機関で準備コース(基礎課程やディプロマ課程)を受講し、スムーズに大学に進学するための制度です。NavitasおよびINTOは、このようなパスウェイプログラムを世界各地で提供する教育プロバイダーであり、多くの大学と提携して留学生の受け入れを支援しています。

Navitasが提供する主な看護学パスウェイプログラム

Navitasはオーストラリア国内の複数の大学と提携し、看護学への進学に適したパスウェイコースを提供しています。例えば、以下のような提携校があります。

  • La Trobe College Australia(Navitas提携校) – 「Diploma of Health Sciences(健康科学ディプロマ)」を修了すると、提携先であるラトローブ大学の看護学士課程2年次に編入できます 。同プログラムでは解剖学や生理学など看護の基礎科目を学び、所定の8科目を履修・合格することで、ラトローブ大学Bachelor of Nursing(看護学士)の2年次へ進学が認められます 。この進学により、さらに2年間の大学勉強で正看護師(Registered Nurse)になるための知識と技術を修得できます。
  • Griffith College(Navitas提携校) – クイーンズランド州のグリフィス大学と提携したカレッジです。ここでは「Diploma of Health Care(医療ケア・ディプロマ)」が提供されており、このディプロマ課程はグリフィス大学の看護学士課程へのパスウェイとなっています 。ディプロマ課程では人体の構造機能やライフスパンにわたる心身の発達を学び、シミュレーション演習や臨地研修準備も含まれています 。ディプロマ修了後、所定の成績要件を満たせばグリフィス大学Bachelor of Nursingの2年次へ編入し、残りの課程を修了することで正看護師資格を目指せます 。
  • Edith Cowan College(Navitas提携校) – 西オーストラリア州のエディスコーワン大学と連携しています。ここの「Diploma of Health Science(ヘルスサイエンス・ディプロマ)」には看護専攻があり、修了生はエディスコーワン大学Bachelor of Science (Nursing)の2年次に入学可能です 。8単位が認定されるため、大学では残り2年間で学位取得ができます 。エディスコーワン大学の学士課程修了後には、オーストラリア看護助産師評議会(NMBA)※に登録申請することで正看護師として働く資格が得られます 。(※NMBAは後述するAHPRAの管轄下にある看護師登録機関です。)
  • Curtin College(Navitas提携校) – 西オーストラリア州カーテン大学のパスウェイ機関です。こちらでも「Diploma of Health Sciences – Nursing」(看護学専攻ディプロマ)が提供されており、修了するとカーテン大学の看護学士課程(Bachelor of Science (Nursing))2年次に進学できます 。ステージ1・2に分かれたディプロマ課程で看護基礎科目や臨床実習準備科目を履修し、必要な単位を取得することで大学看護課程への編入資格が得られます 。
  • SAIBT(South Australian Institute of Business and Technology) – 南オーストラリア州にあるNavitas提携校で、南オーストラリア大学(UniSA)のパスウェイです。SAIBTの「Diploma of Health Science」を通じてUniSAの看護学士課程に進むことが可能です。なお、UniSAの看護学士課程に進学するためにはディプロマ修了時に一定のGPA(例えば4.5以上)とIELTSで各バンド7.0以上など高い英語力証明が必要とされています 。このように看護学への進学には厳格な基準が設けられていますが、その分しっかりとした英語準備や学習サポートがディプロマ段階で提供されます 。

以上は主な例ですが、この他にもNavitasは西シドニー大学(Western Sydney University)やディーキン大学、ニューカッスル大学など多くの大学と提携しています。各提携校ごとに提供されるパスウェイプログラムの名称や内容は若干異なりますが、**共通するのは「大学1年次相当のカリキュラムを少人数制・集中的な環境で履修し、所定の成績を収めれば大学2年次に編入できる」**という点です。これにより、高校卒業直後に直接大学に入る場合よりも段階的・計画的に大学勉強と英語力を身につけることができます。

INTOが提供する主な看護学パスウェイプログラム

INTO University PartnershipsもNavitas同様に、海外大学との提携によるパスウェイプログラムを提供しています。INTOの場合、主な提携地域はイギリスやアメリカですが、オーストラリアでは西オーストラリア大学(UWA)との連携があります。例えば、INTOとUWAが共同運営する「UWAカレッジ」では、留学生向けにファンデーション(基礎課程)やディプロマ課程が提供されています 。UWAカレッジのプログラムには、科学(Biomedicalや理学系)の分野も含まれており、これらを修了することで西オーストラリア大学の各種学部1~2年次へ進学可能です 。ただし、西オーストラリア大学には学部レベルの看護学士課程が無いため、UWA経由で直接看護師になるルートはありません。そのため、INTO経由で看護学を目指す場合には、例えばイギリスの提携大学(例:スターリング大学など看護学部のある大学)に進学し、その後オーストラリアやニュージーランドで就職するルートも考えられます。ただ、本ブログの主眼はオーストラリア・ニュージーランドでの看護師就職ですので、以降では主にオーストラリア・ニュージーランドの大学に進学するケースに絞って説明します。

要点まとめ: NavitasやINTOのパスウェイプログラムは、高校卒業後すぐに海外大学の看護学部に入学する自信が無い場合や、英語力・学力要件を直接満たさない場合に、有用な準備段階となります。これらのプログラムで大学1年次相当の単位を履修しながら英語力を向上させ、提携大学の看護学士課程2年次への編入を目指すことで、段階的にステップアップできます。

オーストラリア・ニュージーランドのNavitas/INTO提携校(看護学)現地就職向け一覧

大学名(所在国)提供プログラム(学位)入学要件*看護学専攻の強み・卒業後の進路提携機関
カーティン大学(オーストラリア)Bachelor of Science (Nursing)(看護学学士課程、3年)、Master of Nursing Practice(看護学修士課程〈大学既卒者対象〉、2年)学士課程:高校卒業(同等の資格)およびIELTS 7.0相当の英語力 など。修士課程:学士号(専攻不問)の取得、必要に応じ指定科目の履修、IELTS 7.0等の英語力。西オーストラリア州の公立大で卒業生のフルタイム就職率第1位 を誇り、実践重視の教育で高い就職実績につながっています。最先端のシミュレーション病院施設で1,300時間以上の臨地実習を行い、看護学分野で世界トップ100にランクされる大学です 。卒業生は即戦力の看護師として地域の医療機関に迎えられます。Navitas(提携校: Curtin College)
ディーキン大学(オーストラリア)Bachelor of Nursing(看護学学士課程、3年)、Master of Nursing Practice(看護学修士課程〈大学既卒者対象〉、1.5~2年)学士課程:高校卒業(同等資格)、IELTS 7.0程度の英語力 。修士課程:学士号取得(分野不問、必要により前提科目履修)、IELTS 7.0程度。看護学で世界ランキング15位に位置し、最先端設備と優れた教育で知られます 。病院での実習やインターンシップが充実しており、卒業生の就職率も高く、ディーキン大学はビクトリア州で卒業生の就職力第1位を獲得しています 。高度な看護スキルと対人ケア能力を備えた卒業生は、州内外の医療現場で活躍しています。Navitas(提携校: Deakin College)
グリフィス大学(オーストラリア)Bachelor of Nursing(看護学学士課程、3年) 、Master of Advanced Nursing Practice等の大学院課程(専門看護分野)学士課程:高校卒業(同等資格)、IELTS 7.0程度の英語力 。修士課程:原則として看護学の学士号および看護師資格を要し、IELTS 7.0程度。グリフィス大学の看護学は世界的評価が高く、2020年のランキングで世界第2位・豪州第1位に輝きました 。カリキュラムは実践重視で、大学附属病院や地域医療施設での臨床実習を通じ即戦力を養成します。看護学部はオーストラリア有数の規模を誇り、卒業生は質の高い看護師として評価され、州内外の病院や保健機関で高い就職率を示しています。Navitas(提携校: Griffith College)
ラトローブ大学(オーストラリア)Bachelor of Nursing(看護学学士課程、3年)、Master of Nursing Practice(看護学修士課程〈大学既卒者対象〉、2年)学士課程:高校卒業(同等資格)、IELTS 7.0程度の英語力 。修士課程:学士号(専攻不問)の取得、IELTS 7.0程度。州内トップクラスの病院で1年次から臨地実習を行える実践的プログラムが特長で、必要に応じて海外実習の機会もあります 。看護技術・知識に加え地域医療への理解も深め、歴年で卒業生の就職率は非常に高く(例:2012年卒業生は約97%が希望の病院に就職) 。豊富な実習経験と業界連携により、卒業生は即戦力として評価され多くが地元医療機関に採用されています。Navitas(提携校: La Trobe College Australia)
西シドニー大学(オーストラリア)Bachelor of Nursing(看護学学士課程、3年)、Master of Nursing Practice(看護学修士課程〈大学既卒者対象〉、2年)ほか専門修士学士課程:高校卒業(同等資格)、IELTS 7.0程度の英語力 。修士課程:学士号取得(専攻不問、成績要件あり)、IELTS 7.0程度。西シドニー大学の看護学部は国内最大級で、高品質な看護師育成で国際的にも知られています 。研究力も高く、2017年には看護学で世界4位(豪州1位)にランクされました 。学生は多様な臨床実習先で経験を積み、文化的に多様な地域社会で実践力を養成。卒業生は首都圏の病院を中心に高い就職率を誇り、リーダーシップを発揮して活躍しています。Navitas(提携校: Western Sydney University International College)
ニューカッスル大学(オーストラリア)Bachelor of Nursing(看護学学士課程、3年)、Master of Nursing(看護学修士〈専門看護分野〉、1.5年)学士課程:高校卒業(同等資格)、IELTS 7.0程度の英語力 。修士課程:看護学学士号および看護師資格など(コースにより要件設定)、IELTS 7.0程度。世界的な教育水準の高さで知られ、看護学は世界トップ150にランクされています 。800時間以上の臨床実習を通じ実践力を養い、卒業生の93%が卒業後4か月以内に就職するなど極めて高い就職率を示しています 。多くの卒業生が地元NSW州を中心に医療現場で活躍しており、留学生にも手厚い就職支援を提供しています。Navitas(提携校: NIC〈ニューカッスル国際大学カレッジ〉※)
サウスオーストラリア大学(オーストラリア)Bachelor of Nursing(看護学学士課程、3年) 、(看護分野の大学院課程も提供)学士課程:高校卒業(同等資格)、IELTS 7.0程度の英語力 。大学院課程:専攻により看護師資格や臨床経験を要件とする場合あり。オーストラリアでも最大規模の看護教育機関の一つで、在学中に1,000時間以上の臨地実習を経験できます 。州内唯一全国平均以上の就職率を実現しており、卒業後の就職力で南オーストラリア州第1位です 。世界ランキングでも看護学分野で100位以内に入っており 、卒業生は地域の病院・医療施設で高い採用率と評価を得ています。Navitas(提携校: SAIBT)
アデレード大学(オーストラリア)Bachelor of Nursing(看護学学士課程、3年)、Master of Clinical Nursing(臨床看護学修士課程〈大学既卒者対象〉、2年)学士課程:高校卒業(同等資格)、IELTS 7.0程度の英語力 。修士課程:学士号(専攻不問)取得、成績要件あり、IELTS 7.0程度。アデレード看護学校は南オーストラリア州で卒業生の雇用率第1位、教育体験満足度でも全国第1位と評価されています 。ハイテク設備のシミュレーションセンターや都市・地方での幅広い実習により実践力を修得でき、卒業時には全国で通用する看護師資格を取得可能です 。QS世界ランキングでも看護学分野で世界トップ100に入っており 、卒業生は州内外の医療現場から高い需要があります。Navitas(提携校: Eynesbury College)
キャンベラ大学(オーストラリア)Bachelor of Nursing(看護学学士課程、3年)、Master of Nursing Practice (Graduate Entry)(看護学修士課程〈大学既卒者対象〉、2年)学士課程:高校卒業(同等資格)、IELTS 7.0程度の英語力 。修士課程:学士号(専攻不問)取得、IELTS 7.0程度。首都キャンベラの立地を活かし政府・医療機関と密接に連携した実習機会があります。看護師需要が高まる中(2025年までに看護師10万人不足の予測 )、実践的カリキュラムで即戦力を育成します。キャンベラ大学の看護学士は世界160以上の国で看護師資格が認められるため 、卒業後はオーストラリア国内はもちろん海外で働く道も開かれています。Navitas(提携校: UC College)
エディスコーワン大学(オーストラリア)Bachelor of Science (Nursing)(看護学学士課程、3年)、Master of Nursing (Graduate Entry)(看護学修士課程〈大学既卒者対象〉、2年)ほか学士課程:高校卒業(同等資格)、IELTS 7.0程度の英語力 。修士課程:学士号(専攻不問)取得、IELTS 7.0程度。西オーストラリア州で看護教育に定評があり、卒業後3年時点のフルタイム就職率は93%と州内最高水準です 。専門職大学院として最新の実習設備と経験豊富な教員陣を備え、学生一人ひとりにきめ細かな指導を提供します。卒業生は地元の病院・医療施設から高く評価され、高賃金の職にも就いており 、看護職のキャリアパスにおいて優位に立っています。Navitas(提携校: Edith Cowan College)
カンタベリー大学(ニュージーランド)Master of Health Sciences (Nursing)(看護学修士課程〈大学既卒者対象〉、2年) (学士レベルの看護プログラムは提携機関が提供)修士課程:関連分野の学士号または同等の資格・実務経験、IELTS 7.0程度の英語力など。注: 当課程は看護師資格を持たない学生向けの登録看護師養成コースです。ニュージーランドで不足する看護人材育成のために開設されたコースで、オンラインと対面を組み合わせ柔軟に学べます 。経験豊富な教員による手厚い指導のもと、カンタベリー地域の病院での臨床実習を通じ実践力を養成します 。修了生はニュージーランド看護評議会への登録資格を得てRN(登録看護師)として就業可能で、NZの看護資格はオーストラリアを含む多くの国で相互承認されています 。Navitas(提携校: UCIC〈カンタベリー大学国際カレッジ〉)

*IELTSなど英語要件は各大学の基準によりますが、看護学では入学または臨地実習開始前に総合7.0(各バンド7.0以上)の英語力証明が求められることが一般的です 。

※ニューカッスル大学は近年パスウェイ提携が大学直営に移行しましたが、以前のNavitas提携校(NIC)経由での実績を参考に記載しています。

パスウェイ修了後に進学可能な看護学士課程

パスウェイプログラムを無事修了し必要な成績・要件を満たすと、いよいよ提携先大学の看護学士課程(Bachelor of Nursing 等)に進学できます。オーストラリアおよびニュージーランドにおける看護学士課程は、通常3年間の本科課程で構成されており、講義・演習に加えて**約800時間以上の臨地実習(Clinical Placements)**が組み込まれているのが一般的です 。臨地実習では、学内のシミュレーションセンターや提携医療機関での実習を通じ、学生は看護技術と臨床判断力を養います。例えばオーストラリアの大学では3年間で800〜1,000時間程度の実習が課され 、初年度は基礎的ケア、後半は専門領域(高齢者ケア、救急、母子看護など)での実習が行われます。ニュージーランドの大学も同様に、学内外での実践的な訓練に重点を置いています。

進学先の例: 前述のパスウェイ例に対応する形で、進学先となる代表的な看護学士課程をいくつか挙げます。

  • ラトローブ大学 Bachelor of Nursing(ビクトリア州) – Navitas提携のDiploma修了後に2年次編入可能 。多様なキャンパスで提供され、2年間で残り単位を取得します。卒業時にはオーストラリア看護師登録資格の要件を満たすカリキュラムが組まれています。
  • グリフィス大学 Bachelor of Nursing(クイーンズランド州) – Griffith Collegeディプロマ課程からの編入先。最新設備のシミュレーション病棟を備え、計800時間超の実習を履修しつつ、コミュニケーションスキルや地域医療についても学びます。卒業生はQLD州内外の医療機関で高い就職率を誇ります 。
  • エディスコーワン大学 Bachelor of Science (Nursing)(西オーストラリア州) – Edith Cowan Collegeから編入可能 。Joondalupキャンパスなどで提供され、看護学理論と臨床実習を融合した実践的プログラムです。卒業と同時にNMBA(全国看護師助産師局)の登録要件を満たすため、即戦力として病院に就職しやすいことが特徴です 。
  • カーテン大学 Bachelor of Science (Nursing)(西オーストラリア州) – Curtin Collegeからの編入先 。年間を通じて開講される集中プログラムで、様々な専門看護分野(メンタルヘルス、在宅ケア等)に触れる機会があります。卒業時には大学附属病院だけでなく、州内各地の医療施設での就職支援も受けられます。
  • 南オーストラリア大学 Bachelor of Nursing(南オーストラリア州) – SAIBT経由で進学可能。こちらは学士課程への直接編入には高い英語力(IELTS各7.0)を要求し 、また定員制(クォータ制)で選抜があります 。そのためディプロマ段階から計画的な英語学習と高成績の維持が必要ですが、卒業生は同州の公立病院での就職機会も豊富です。
  • (ニュージーランド)オークランド工科大学 Bachelor of Health Science (Nursing)(オークランド) – NZ国内で代表的な看護学士課程。Navitas/INTOの提携経由ではなく直接出願や他社のファンデーションコース経由となりますが、日本人留学生も多く在籍します。3年間で概ね1,100時間の臨床実習を行い、卒業と同時にNCNZ(NZ看護評議会)の登録申請資格を得ます。

上記以外にも、ディーキン大学、ニューカッスル大学、ウーロンゴン大学、マッコーリー大学(看護プログラム新設)など、オーストラリア各地の大学に看護学士課程があります。ニュージーランドでもマッセー大学やポリテクニク(国立高等専門学校)で看護学位コースが提供されています。重要なのは**「パスウェイで培った基礎力を土台に、希望の大学で看護学士を取得する」という明確な目標を持つこと**です。学士課程在学中は、専門知識・技術の習得だけでなく、現地の医療文化やチーム医療に慣れる絶好の機会となります。この段階で得た経験や人脈が、卒業後の就職活動や看護師としての成長に大いに役立つでしょう。

卒業後の国家登録申請(AHPRAまたはNCNZ)の流れと要件

看護学士課程を修了すると、次は**看護師として法的に働く資格を得るための登録(Registration)を行います。オーストラリアとニュージーランドではそれぞれ国家資格の登録制度が整備されており、卒業生は以下の機関に申請をして正式にRegistered Nurse(正看護師)**として認められる必要があります。

  • オーストラリアの場合: オーストラリアではAHPRA(Australian Health Practitioner Regulation Agency、豪州保健従事者規制庁)が看護師を含む医療従事者の登録手続きを統括しています。看護職についてはAHPRA傘下のNMBA(Nursing and Midwifery Board of Australia、看護助産師評議会)が審査を行い、登録の可否を決定します。オーストラリアの看護学士課程を修了した留学生も、国内卒業生として卒業後に登録申請を行う義務があります。重要なポイントの一つは英語能力基準(English Language Skills: ELS)の充足です。AHPRAは「たとえオーストラリア国内で養成を受けた場合でも、登録時には所定の英語能力基準を満たさなければならない」と明記しています 。この英語基準は一般にIELTS(学術モジュール)で各バンド7.0以上(※2025年以降、筆記は6.5に緩和の動きあり)か、OET(医療英語試験)で各項目B以上の成績を求める厳しいものです。もっとも、「英語での教育歴が5年以上ある場合」など一定の条件を満たす卒業生については英語試験が免除される場合もあります(例:高校から大学まで英語圏で5年以上学んだケース)。このほか、AHPRA登録申請には犯罪歴証明(無犯罪証明)や健康状態申告本人確認書類(パスポート等)の提出も必要です。申請は通常オンラインで卒業見込み時期から手続きが開始でき、卒業証明書や成績証明書と併せて提出します。審査を経て登録が認められると、オーストラリア国内で「Registered Nurse」の資格で就業することが可能になります。
  • ニュージーランドの場合: ニュージーランドではNCNZ(Nursing Council of New Zealand、ニュージーランド看護評議会)が看護師資格の登録を管轄しています。NZ国内の大学で看護学位を取得した卒業生は、必要書類を揃えてNCNZに新規登録(New Graduate登録)の申請を行います。基本的な提出物はオーストラリアと似ており、卒業証明、成績証明、実習時間の証明、健康診断書、無犯罪証明、パスポート等です。NCNZもまた英語能力を重視しており、特に留学生については「看護教育を英語で受けた証明」を求める場合があります 。通常、ニュージーランドの大学を卒業していれば教育言語は英語ですので、大学発行の証明書で対応可能です。それでも必要と判断された場合は、IELTSでリスニング・リーディング・スピーキング各7.0、ライティング6.5以上 などの基準を満たす成績表を提出することで英語力を証明します。NCNZへの申請プロセスでは、海外で看護師登録歴が無い新卒者についてはCGFNS経由の証明(主に海外での看護教育を受けた者向けの資格審査サービス)などは不要で、大学から直接書類提出を依頼する形になります。ただし、オーストラリアで既に登録済みの看護師がNZに移る場合は両国間の相互認証制度(TTMR: Trans-Tasman Mutual Recognition)に基づき、簡易な手続きでNZでも登録できます 。日本から留学しNZで資格取得する方の場合、基本はNCNZへの新規登録となり、審査後に「Registered Nurse」として登録されます。

登録申請時の注意点:

いずれの国でも、登録申請には申請料の支払いおよび年会費が発生します。登録が完了すると看護師として働く権利が得られますが、定期的な更新(オーストラリアでは年次での登録更新とContinuing Professional Developmentの記録、NZでも年1回のPractising Certificate更新)が必要です。また、登録名簿への掲載にあたっては自分の登録番号が付与され、雇用主はそれを参照して資格の有効性を確認します。登録審査には通常数週間~数ヶ月かかりますので、卒業が近づいたら早めに情報収集し準備を始めることが重要です。

看護師として現地就職を可能にするビザの種類と取得要件

国家登録が完了し、晴れて資格を得たら、次は就労ビザを確保して現地で働く段階です。オーストラリアとニュージーランドでは留学生卒業後の就労を支援するビザ制度が整備されていますが、種類や条件に若干の違いがあります。それぞれ順に見ていきましょう。

  • オーストラリア: 卒業生ビザ(Temporary Graduate Visa, Subclass 485) オーストラリアには留学生が卒業後に一定期間国内に残って働くことを認める卒業生ビザ(サブクラス485)があります 。看護学の学士号(学士レベル7)を取得した場合、多くのケースでPost-Study Workストリームに該当し、2年間のビザが付与されます(※学位取得レベルや就学地域により最長3~4年まで延長可)。例えば地方都市の大学で学位を取得した場合は追加の滞在期間が与えられる措置もあります。また近年、看護やITなど特定分野の修了者に対する2年間の滞在延長措置が導入されていましたが、2024年半ば以降制度変更が予定されるため最新情報の確認が必要です 。485ビザの取得要件としては、過去6ヶ月以内にCRICOS登録コースを2年以上修了していること、一定水準の英語力(例: IELTS総合6.0程度)、健康診断の受診、無犯罪証明の提出などがあります。申請は卒業後できるだけ早く行う必要があり、オンライン申請時には卒業証明やパスポート、OSHC(留学生健康保険)の加入証明等を添付します。 卒業生ビザを取得すると、就労時間や職種の制限なくフルタイムで働くことができます 。多くの新卒看護師はこの期間に新卒プログラム(New Graduate Program)として病院で研修的な雇用を得たり、臨時雇用や地方での勤務を経験してスキルを積みます。485ビザの有効期間中に就労経験を積むことで、その後の永住権申請(技術移民)や就労ビザ(Employer Sponsored Visa, Subclass 482など)への切り替えも目指せます 。就労ビザ(TSS 482)の場合は雇用主(病院など)のスポンサーが必要で、求められる条件として看護師登録資格一定の実務経験(通常2年以上が望ましい)、および**英語力(例: IELTS各5.0以上)などがあります。優秀な人材であれば病院が永住ビザ(ENS 186等)のスポンサーとなるケースもあります。オーストラリアは看護師が中長期技能リスト(MLTSSL)**に含まれているため、州の指名を受けて永住権を取得する道も開かれています。いずれにせよ、卒業直後の485ビザ期間を有効活用し、経験とネットワークを築くことが、その後のキャリアとビザ確保に繋がります。
  • ニュージーランド: ポストスタディ就労ビザ(Post Study Work Visa) ニュージーランドにもポストスタディ・ワークビザと呼ばれる、留学生卒業後の就労を認める制度があります。学士号(レベル7の資格)をニュージーランドで取得した留学生は、最長3年間の就労ビザを申請できます 。これは2022年の制度改正以降、学位レベルに応じて1〜3年まで期間が決まる形となっており、学士以上であれば原則3年が付与されます 。申請条件としては、NZ移民局指定の「認められた資格」を所定の期間フルタイムで修了していること(例: レベル7学位を最低30週間以上就学) 、十分な資金証明(申請時点で生活費としてNZ$5,000程度)および健康・無犯罪要件の充足などがあります。申請はオンラインで、卒業証明書や成績証明書等を提出します。 ポストスタディ就労ビザにより、ニュージーランド国内でフルタイム就労が可能となり、職種や雇用主に制限はありません。多くの新卒看護師は病院や高齢者介護施設に就職し、New Graduate Nurseプログラムに参加して1年目の研修を受けます。ニュージーランドでは近年、慢性的な看護師不足に対応するため、看護師に対する永住権への優遇措置も導入されました。たとえばグリーンリスト(Green List)という優先職業リストに看護師が含まれており、条件を満たせば最短で永住権(Residence Visa)取得が可能となっています 。具体的には、NZ看護評議会に登録された正看護師として現地雇用を得た場合、Straight to Residence Visa(直接永住権)申請資格が与えられる制度が2023年以降整備されました。これは外国人看護師にとって大きな魅力であり、ニュージーランドで一定期間経験を積んだ後は永住権を取得して長期的に働く道も開けるということです。

ビザ取得・維持時の注意点:

いずれの国でも、就労ビザ保持中はビザ条件の遵守(フルタイム就労かつ職を辞した場合は一定期間内に再就職する等)が重要です。また、看護師として働くためにはビザとは別に看護師登録を維持しなければなりません。ビザ申請時には健康診断(特に結核検査のX線撮影)や予防接種歴の提出が求められることがあります。看護師は患者と接する職業上、B型肝炎など特定のワクチン接種が就労条件となる場合もあるため、留学生のうちから必要な予防接種を済ませておくと安心です。さらに、オーストラリアでは485ビザ申請時、ニュージーランドではPost Study Work Visa申請時に指紋採取や追加の無犯罪証明が要求されることもありますので、案内に従って迅速に対応しましょう。

英語要件・学業成績・身元証明等の注意点

最後に、各段階で留意すべき英語力要件学業成績管理身元証明などについて整理します。

  • 英語要件: 看護師を目指す上で英語力は極めて重要です。パスウェイ入学時にはIELTSで5.5〜6.0程度が要求されますが、看護学士課程に進む段階ではIELTS 6.5〜7.0以上が求められる大学が大半です 。特に看護師資格登録の基準を見据え、入学時からIELTS各バンド7.0以上を条件とする大学もあります 。例えば南オーストラリア大学ではディプロマから看護学士に進学する条件としてIELTSオーバーオール7.0(各サブスコアも7.0以上)を課しています 。加えて、在学中も学内での授業・実習は全て英語ですので、専門用語や医学英語の習得にも努める必要があります。卒業後のAHPRAやNCNZ登録でも、上述の通りIELTS 7.0相当の英語力証明が必須です 。対策としては、早期からアカデミック英語だけでなく**OET(Occupational English Test)**など職業英語試験の準備を始めることも有効でしょう。OETは医療現場のコミュニケーションに特化した試験で、看護師登録には各項目でグレードB(= IELTS7程度)以上が要求されます。英語試験はいずれも難易度が高いため、計画的な学習スケジュールと十分な練習時間の確保が肝要です。
  • 学業成績: パスウェイから大学進学、そして卒業に至るまで、一貫して良好な学業成績を維持することが求められます。パスウェイ課程では通常、科目毎に60%以上の合格基準や全体GPAの基準が定められており、基準未達の場合は大学への編入が認められません 。また看護学士課程そのものも専門科目が多く、一定以上の評価で単位を取得しないと進級・卒業できない仕組みです。特に看護は定員制のプログラムが多いため、編入時に成績上位者から枠が埋まるケースもあります 。したがって、パスウェイ在学中から計画的な勉強習慣を身につけ、苦手分野は早めに補習を受けるなどして高成績を目指すことが大切です。大学進学後も、臨地実習では指導教員からの評価が成績に直結しますので、真摯な態度と積極性で取り組みましょう。こうした努力が卒業後の就職活動でも高く評価され、推薦状を書いてもらえるなど有利に働く場合があります。
  • 身元証明・その他の留意事項: 看護師になる過程では、自身の身元や健康・経歴に関する様々な証明が必要になります。まず入学段階でパスポートはもちろん、有資格者であれば看護助手や准看護師の資格証明書の提示を求められることもあります。臨地実習前には予防接種証明(MMR、B型肝炎、破傷風など)や結核検査結果の提出が必須です。これは患者を守るため、医療従事者として適切な免疫があるか確認する目的があります。また、実習や就職の際に無犯罪証明書(Police Clearance)や身元保証人からの推薦状の提出を求められることもあります。オーストラリア・ニュージーランドともに、医療従事者の倫理規定が厳しく定められており、犯罪歴や不正行為歴があると登録・就労が困難になる場合があります。したがって留学中も法律や校則を遵守し、社会的信用を損なうことのないよう行動することが大前提です。さらに、日本から留学する場合には留学開始前に看護師適性についても自己分析しておくと良いでしょう。海外の看護現場では日本とは異なる文化的背景や価値観の患者さんをケアする場面も多いため、オープンマインドで異文化に対応できる柔軟性も求められます。

まとめ: 海外で看護師として働く魅力と計画的準備の重要性

海外の医療現場で活躍する看護学生。多様な文化や最新の医療設備に触れながら、国際的な看護スキルを磨いています。

オーストラリアやニュージーランドで看護師として働くことには、多くの魅力があります。まず、国際水準の高度な医療環境で研鑽を積めることです。最新の医療設備やエビデンスに基づく看護実践を学べるため、自身のスキル向上に直結します。また、英語圏で働くことで語学力やコミュニケーション能力が飛躍的に向上し、国際人としての視野が広がります。多文化社会で様々なバックグラウンドを持つ患者に接する経験は、人間的な成長にも繋がるでしょう。加えて、看護師は両国ともに需要が高く、安定した収入と雇用環境が期待できます。勤務先によっては継続教育の支援や永住権サポートなど福利厚生が充実している場合もあり、長期的なキャリア形成に適した土壌があります。 で触れたニュージーランドの永住権優遇策や、オーストラリアでの技術移民制度など、努力次第で将来の定住も視野に入れられる点も魅力です。

もっとも、こうした夢を実現するには早い段階からの計画的準備が不可欠です。高校在学中から英語の勉強に力を入れ、看護に関する基礎知識(生物・化学など)にも親しんでおくと、パスウェイや大学での勉強がスムーズになります。留学先の制度や要件は頻繁にアップデートされるため、常に最新情報を確認し、出願書類の準備やビザ手続きの締切に遅れないよう逆算して行動しましょう。保護者の方にとっても、金銭面・生活面での支援計画を立て、現地で困らないよう子弟と十分話し合うことが大切です。社会人の方でキャリアチェンジとして留学を検討する場合も、現地での資格認証に要する時間やコストを踏まえた計画が求められます。

海外で看護師として働く道のりは決して平坦ではありませんが、その先に得られるものは非常に大きいと言えます。国際的に活躍できる看護師となることで、国内外の医療に貢献できるだけでなく、自身の人生の選択肢も広がります。NavitasやINTOのパスウェイプログラムは、その第一歩を踏み出すための心強い支援策です。ぜひ本記事の情報を参考に、具体的なプランを描いてみてください。綿密な準備と努力を重ねれば、オーストラリアやニュージーランドの地で白衣に袖を通し、笑顔で活躍する日がきっと訪れることでしょう。あなたの夢の実現を応援しています。

参考資料・出典: パスウェイプログラム提供機関公式サイト、提携大学公式サイト、各国看護師登録機関(AHPRA, NCNZ)および移民局の公開情報等

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INTO、OnCampus、StudyGroup、Navitasなどが運営する大学進学準備のファウンデーションコース、編入用のInternational Year One(編入パスウェイ)、大学院進学準備のプレマスターといったプログラムに出願する全ての学生に対し、当奨学金事務所の枠組みで奨学金給付が保証されています 。

資金面の不安を和らげてくれる奨学金を上手に活用し、ぜひあなたの「オーストラリア留学」の夢を実現してください!

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プログラム奨学金に加えて支給されるこのスポンサー企業奨学金制度では、所定の奨学金付き出願フォームから入学の出願を行うことで、英語力や成績に関係なく入学者全員が一定額の奨学金を受け取ることができます 。大学やコースが独自に提供する奨学金とは別枠で支給されるため、併用して学費負担を軽減できる点が魅力です。

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