オランダ

【オランダ大学紹介】マーストリヒト大学

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概要と特徴

マーストリヒト大学は1976年に創立されたオランダで最も若い総合大学の一つで、問題基盤型学習 (Problem-Based Learning, PBL) を教育の柱とする革新的な大学です 。13のオランダの研究大学の中では2番目に新しい存在ですが、その斬新な教育手法と国際志向により急速に評価を高めてきました。

大学設立の背景にはオランダ南部リンブルフ州での医学人材不足があり、1970年代に新たな医学校として始まった経緯があります 。そのため現在も医学・健康科学が強みの一つですが、加えて経済経営学、法学、人文社会科学、理学部門など多彩な学部を備える総合大学へと発展しました。大学のモットーは「Leading in Learning(学習における先導)」であり、その言葉通りPBL方式を全ての学部プログラムに導入した世界でも数少ない大学です 。PBLとは少人数グループで討論しながら課題解決を図る学習法で、1970年代にマーストリヒト大学医学部が世界で2番目に導入して以来、同大学の教育の代名詞となっています 。

学生は講義に加えてチュートリアルと呼ばれるグループ学習を重ねることで主体的な学びを深め、卒業時には高い問題解決能力と自主性を身につけることが期待されています。このような教育モデルの革新性から、マーストリヒト大学は「教育のマーストリヒト」として国内外で注目を集めてきました。

国際性

マーストリヒト大学は「オランダで最も国際的な大学」と称されるほど留学生比率が高く、その国際性は突出しています。学生数約22,000人のうち実に約60%が外国籍の学生であり 、世界130以上の国から多様な学生が集まっています。2023年時点では留学生比率が59% ですが、翌年には61%に達したとの報告もあり 、多数派が留学生という珍しい状況です。

講義言語も学士課程の半数以上、修士課程・博士課程の大部分が英語で提供されており 、キャンパス内では英語が日常的に飛び交います。さらに教員スタッフも国際的で、学部長や研究者に海外出身者が多く含まれます。

マーストリヒトという街自体がドイツ・ベルギー国境に近い欧州の交差点であることから、大学も周辺諸国との結び付きが強いです。EU機関や国際企業との提携、他大学との交換留学ネットワークも盛んで、学生は欧州全域で学びの機会を得ています。その結果、学生たちは在学中から多文化環境に身を置き、卒業後も国際舞台で活躍できる能力を養っています。

教育・研究の強み

マーストリヒト大学は若い大学ながらいくつかの分野で世界的評価を得ています。まず創設の経緯から医学・生命科学系に強みがあり、医療系研究(公衆衛生、循環器、神経科学など)で優れた成果を上げています。医学部附属病院(マーストリヒト大学医療センター)との連携研究も盛んで、臨床医学や健康科学の分野では欧州で高い地位にあります。

また経済・経営学分野も評価が高く、マーストリヒト大学経営大学院(SBE)は国際的なビジネススクール認証(AMBA, EQUIS, AACSBの「トリプルクラウン」)を取得しています 。経営学修士課程はFinancial Timesランキングで世界50位に入った実績もあり 、欧州における優良ビジネス教育機関として知られています。さらに法学ではヨーロッパ法に特化した「European Law School」プログラムをいち早く導入し、EU法や国際法の教育に強みを発揮しています 。

その他、心理学や神経科学、知覚科学などの領域でも国際トップ100圏内にランクインする研究力を示しています (例:心理学分野で世界41位)。これらの分野はマーストリヒト大学が比較的若く柔軟な組織であることから、新しい学際領域にも積極的に取り組み成果を出している証左と言えるでしょう。特にPBL教育との相乗効果で、学生が研究プロジェクトに早期から参画する機会が豊富な点も強みとなっています。

総じてマーストリヒト大学は医学・生命科学、経済経営、欧州法学、心理学などで際立つ実績を持ち、その先進的な教育手法と相まって存在感を放っています。

世界大学ランキング

マーストリヒト大学は創立50年に満たない若い大学でありながら、世界ランキングで確固たる地位を築いています。Times Higher Education世界大学ランキング2024では世界第145位にランクインしており 、これは欧州でも上位に位置する評価です。

またTHEの若手大学ランキング(創立50年未満)では世界10位とトップクラスで 、「最も成功した若い大学」の一つに挙げられています。QS世界大学ランキング2024でも第230位となっており 、前年から大きく順位を上げています(QSでは「トップ50アンダー50」のランキングにも名を連ねました)。世界大学学術ランキング(ARWU)でも201–300位のグループに位置し 、総合力の高さが示されています。

これらの成果は、PBLという独自の教育や国際性が評価指標で高ポイントにつながっている面もありますが、同時に研究の質の向上にも大学が成功していることを意味します。若さゆえに世界的な知名度では伝統校に劣る部分もあるものの、実際のパフォーマンスで見るとマーストリヒト大学は確実に世界トップ200前後の実力校として認知されています。今後も独創的な教育と研究でさらなる飛躍が期待されます。

キャンパス紹介

マーストリヒト大学のキャンパスは、マーストリヒト市内の歴史地区と郊外の新興地区に分散しています。文系学部(経済学部・法学部・文学部など)の多くはマーストリヒト旧市街の歴史的建造物を利用しており、例えば経済学部棟や法学部棟は18世紀建造の修道院や邸宅を改修した趣ある建物です 。こうした都市型キャンパスの整備は、街の歴史的景観の保存と活性化にも寄与してきました 。

一方、医学部や心理学・生命科学系の施設は市街南東部のランドワイク地区 (Randwyck) に集中しています 。ランドワイク・キャンパスには大学病院(MUMC+)や遺伝子研究センター、最新鋭のMRI研究施設などがあり、ブライトランズ健康キャンパスの開発構想により産学連携の拠点としても強化されています 。ランドワイクには広大な研究用温室や実験施設も備わり、より現代的なキャンパス環境となっています。

さらに、リンブルフ州北部の都市フェンローには食品・物流分野の教育研究を行うサテライトキャンパス(キャンパス・フェンロー)があり、グローバルサプライチェーンや健康食品イノベーションのプログラムを提供しています 。マーストリヒト市は国境に近い国際都市であり、市内には欧州拠点の研究所や教育機関が点在します。学生は街の至る所で大学施設や学生寮を目にすることができ、街全体がキャンパスの延長のような雰囲気です。

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